グリーンは、時計に先駆けてファッションにおいてトレンドカラーと言われてきた。背景にはエコロジーの意識の高まりや、社会不安に対して平穏を求めるからとも。
だがそれが主流にならないのは、どんなにピースフルなアースカラーでも、ともすると野暮ったさが漂うからだ。
腕時計99万4400円/ジャガー・ルクルト 0120-79-1833、デニムジャケット12万6500円、Tシャツ7万2600円、パンツ12万9800円/すべてメゾン マルジェラ(マルジェラ ジャパン 0800-000-0261)
グリーンのジャケットを想像してみればいい。あれはトップゴルファーにしか似合わない。しかも他色とのコーディネイトも難しく、アクセントカラーにとどめる程度がセンスを感じさせるだろう。
だからこそ腕元の挿し色である時計には向いているのかもしれない。
この数年カラーダイヤルは注目を集め、定番となったブルーを筆頭に、ブラウンやグレーも登場している。その中で特にグリーンがブレイクした理由は“映え”にあるだろう。
トレンドカラーと言われた“グリーン”が服ではなく腕時計でブレイクした理由
[レベルソ・トリビュート・スモールセコンド]レベルソは誕生した1931年から1年間、チョコレートブラウン、レッド、バーガンディ、ブルーといった当時珍しいカラーダイヤルを数多く発表し、その個性をより印象づけた。そうした歴史を踏まえ、グリーンを発表。ポロブーツで名高い名門カーサ・ファリアーノのレザーストラップとも統一したシックな色合いに風格を湛える。SSケース、縦45.6×横27.4mm、手巻き。99万4400円/ジャガー・ルクルト 0120-79-1833
控えめな他色に比べると目を引き、アピール度も高く、なにしろ新鮮に映る。新作には打ってつけということだ。
しかも当初こそ違和感もあったが、これだけ色のバリエーションやスタイルが揃い、選択肢が増えるとそれもなくなってくる。
[ノーチラス 5711/1A]生産終了となった5711のSS製ノーチラスの有終の美を、グリーンダイヤルが飾る。深いグリーンは光の加減でグレーにも美しく変化する。さまざまな色が検討され、試作された中で厳選された。今年1年間の限定生産。SSケース、40mm幅(4-10時方向)、自動巻き。401万5000円/パテック フィリップ(パテック フィリップ ジャパン 03-3255-8109)
ビビッド系ならスポーティに、ペパーミント系は都会的に。特にオリーブやモスグリーン系は、男っぽいミリタリーテイストが漂い、デニムやチノパンとも相性が良い。
自分の好みやファッションに合わせて選ぶのもいいだろう。
[ロイヤル オーク “ジャンボ”エクストラ シン]ロイヤル オーク コレクションにサンバースト仕上げのスモークグリーンダイヤルとPtケースを初採用。Ptケースの重厚感に華やかさを添え、傑作ラグジュアリースポーツウォッチに相応しいスタイルへと昇華させた。AP HOUSE限定。Ptケース、39mm径、自動巻き。1155万円/オーデマ ピゲ(オーデマ ピゲ ジャパン 03-6830-0000)
そうして選んだグリーンは時計を見るたび、愛着が増す。そして周囲にもさりげなくあなたの個性を印象づけるに違いない。
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